PENTAX写真生活


by ryua210

好きな作家

好きな作家はだれかと聞かれると、最近は横山秀夫をあげる。
初めて読んだのは「半落ち」。
この本にはそれほど感銘を受けたというわけではなかったけど、人物や情景の描写がとても丁寧だと思った。
そのあと、「第三の時効」を読んでこの作者の作風に魅了された。
人の描き方がすばらしいと思う。
最初は推理小説、推理作家として見ていたけれど、文学作品といってもいいのではないかと思うぐらい、人の内面や特徴を細かく書いていると思う。
さらに登場人物の人柄や設定がとても現実的で、小説の中だけの世界とは思われない。
推理小説やエンターテイメント小説を読んでいると、その小説のためだけの人物設定や場面のようなものがよくあって、とてもありえない条件や設定の下でのトリックや事件の展開があるけれど、横山秀夫の場合は違う。
ドキュメンタリーのような臨場感がある。
それでいてあっと言わせる結末や余韻の残る結末が間違いなくついてくる。

ちなみに「半落ち」が直木賞の選考に残ったとき、ある鍵となる事実の設定が現実ではありえないことだったとして落選し、批判すら浴びたという話を読んだ。でも、その事実の設定というのは、人が空を飛ぶとか、時間移動をするというようなありえないことではなく、大変に細かい法律解釈の問題で、そんなことをあげつらってこの作品の持ち味である丁寧な描写や読後に残る余韻を評価しないなんていうのは、それこそありえないことだと思った。
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by ryua210 | 2011-12-08 06:04 | 散文