PENTAX写真生活


by ryua210

聖灰の暗号(帚木蓬生)

カタリ派というキリスト教の一派があったらしい。
何も基礎知識がない状態から読み始めたけれど、非常に興味深い話だった。
あらすじとしては、フランスに滞在する日本人歴史学者がカタリ派についての古文書を探し当てた結果、それにまつわる殺人事件が起こるというもので、正直なところ犯人探しとか推理小説としては深みがなくあまり面白くはなかった。
この本の魅力はそういうことではなくて、古文書の暗号を解く過程とか、カタリ派信仰の内容、そしてカタリ派を弾圧するための審問や火刑のすさまじさ。
カタリ派の対極に置かれるのが権力欲にまみれたヴァチカンという構図は、「ダ・ヴィンチコード」や「天使と悪魔」と多少共通するところがあるかもしれない。

あと、この話しを読みながら興味をそそられたのはやっぱり、話の舞台になったフランス。
パリのペール・ラシェーズ墓地で話が始まり、主な舞台はフランス南部のピレネー山脈付近。
トゥールーズやカルカッソンヌという観光地の名前も出てくるけれど、「サン・リジエ」「マサト」「オリュス」「サン・ジロン」という聞いたことのない名前の小さな村で話が進む。このあたりの豊かな自然や素朴な人たちの描写がしばしば登場する
魅力的な自然や街並みと、カタリ派という中世の文化、これを感じに旅行に出たくなった。
[PR]
by ryua210 | 2012-02-25 22:40 | 散文