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PENTAX写真生活


by ryua210

被写体

パリに倦んでいるせいか、散歩に出たときに写真を撮ろうとか、観光地を回ろうという気持ちが薄れている。これまでヨーロッパの町並みに憧れて過ごしてきた人間としては、信じられないことだ。最近は日本の田舎とか渓谷を撮りたいという気持ちが強くなっている。しかし、と思った。日本のそういうところはいいだろうが、やっぱり日本の町並みというのは魅力に欠ける。今まで住んだどんな場所を思い出してみても、近所をぶらぶらと歩いて写真を撮りたいと思うような景色は少なかった。目を凝らして被写体を探したり、独創的な視点を持てばもちろん被写体は無数にあるとは思うけれど、見ていて心地よい町並みというのはそうない。そう考えるとやっぱりパリは被写体に満ちている。住宅街ですら趣のある建物で埋め尽くされているし、中心部の都市設計は秀逸だ。このようなところにいて写真に撮りたいものがないなどというと、罰が当たるのだろうなと思う。パリを厭う気持ちと被写体としてのパリを切り離して考えるのは難しいけれど、やぱりこのような機会を与えられているときに、記録に残せるところは、残しておかないといけないと思った。
by ryua210 | 2012-01-15 06:47 | 散文